今日、共産党市議団の主催で浅井春夫氏
(立教大学名誉教授)の「子どもの貧困問題を考える学習講演会」を開催しました。浅井先生は、子どもの貧困問題のパイオニアです。
浅井先生のお話で気になった点を「つれづれに」書きます。
●子どもの貧困の深刻さに本当に心が傷みます。歯科医のお話に、小学生で総入れ歯にせざるを得なかった子がいたこと。国民の所得全体が低減傾向にあることから所得の中央値も下がり、結局、所得の中央値の1/2以下という国民の貧困ラインも下がり、それが貧困率を押し下げています。決して収入が増えて貧困家庭が減っているわけではありませせん。貧困の最悪の形は、子殺し・親子心中、絶対にあってはなりません。
●子育て世帯に対する公的給付が異常なほど少なすぎます。浅井先生のお金が貧困問題の全てを解決するわけではないが、かなりの分の問題を解決できることも事実と言う指摘は本当に重いと思います。日本の家庭の収入の9割は労働に由来する収入、ここが不安定雇用やリストラでどんどん減っています。公的給付は2.5%しかありません。半数が貧困ライン以下の母子家庭ですら、公的給付は15.7%です。お金がないということは、子どもから希望を奪うことになります。
●人生の始まり(乳幼児期)での支援が政策的には大変有効です。しかし、日本はこの時期の責任は全て親が負うものという考えが蔓延しています。結果として、子ども期、人生全体の前向きの発展を阻害することにもなっているのではないでしょうか。子育て支援策についても時には、母親の責任に収れんしてしまいかねない施策があることも事実です。
●子ども食堂は非常に大切ですが、これでは解決にはなりません。なによりも、毎日食事が提供されるわけではないから。アメリカやイギリスでは、登録制ですが学校で毎朝朝食を提供しています。「早寝、早起き、朝ご飯」はとてもよいスローガンですが、そうできない家庭をどうするのか。家庭の自助努力では解決しません。
●学習支援を通して、「この地域の大人は自分を見捨てていない」という大人への信頼感、自分にも価値があるという自己肯定感が増していることは大きな希望です。
●貧困調査が大事です。戦争こそ超貧困者会を生みだします。決して戦争を起こしてはなりません。憲法順守の義務を負っている内閣そのものが、改憲の旗振りをしている異常さがあります。
●子どもの貧困対策では、その仕事を直接担う専門部局を創設すること、きちんと目標数値を定めることがカナメです。総バナではうまくいきません。ポイントを定めて集中して取り組むようにすべきです。
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