
勝訴した賦課金裁判の判決文が入手できましたので読んでみました。今日の1時から、原告団の会議があって、弁護士の先生から詳しい説明がありますが、私のわかる範囲で、判決のポイントを書きます。(ただし正確ではないので、改めて弁護士の方の話を聞いて、訂正するところがあるようなら、告知したいと思っています)
大きな論点は二つです。
1、原告には訴訟の当事者となる権利があるか?
結論はyesです。
行政裁判の場合、一般的には処分に対する不服申し立てをし、それが却下された場合に訴訟を起こすことになります。今回、原告団は組合の理事長に対して異議申し立てをし、そのうえで訴訟を起こしています。しかし、ここで裁判所の判断ですが、今回の場合、不服申し立ては道知事に対して行うべきであって、理事長あてに異議申し立てをしたことは正しくなかったが、それは組合が不服のある場合には理事長あてに異議申し立てをしなさいと書面に書いていたために間違ったのであって、原告に責任はないので、原告については訴訟の当事者と認める。
2、時効はいつ成立したのか。差し押さえはどうなるのか。
時効は26年10月17日に成立した。時効が成立したため、その時点で賦課金は消滅した。賦課金が消滅した後の差し押さえは認められないので、差し押さえは無効とする。
督促状(普通郵便)が原告についいたのは21年10月17日であり、ここで時効はいったん中断したが、その後5年たって再び時効が成立した。よって時効成立は26年10月17日になるという判決です。
ここではいくつかポイントがあります。
●督促状は書留ではなく普通郵便で送られたが、督促状は原告に配達されたと認定しました。←この部分については私自身は納得していません。これを認めると、これまでの賃借に関わる訴訟で、督促状がついいたかどうかが重大な争点となり、債権者側は督促状の送付を証明するため通常は書留で出さなければならなかったことを、実質的には後退させることになるのではないかと思います。
●賦課金の差押(滞納処分)は地方税と同じ方法で行うと法律に書いていますが、「督促」は滞納処分ではないことから、督促については地方税の取り扱いを適用しない。「地方税の場合、督促状が付いた翌日から10日たった日からさらに5年がたったら時効成立としている。そうすると時効は26年10月27日となり、差押は26年10月24日に行われていることから有効。」と言うのが被告側の主張でした。被告はこれ以外の論拠も示し、いずれであっても差押は時効成立前に行われたと主張しましたが、裁判ではこの被告の主張を退け、差押の前に時効がすでに成立していると認定しました。
もちろん、ここには書ききれない論点もたくさんありますが、中心点はここかなと思います。
また、仮にこの判決が確定するなら、差押の直前、少なくとも26年10月17日以降に賦課金を支払った人、および今も差押を受けたままと言う人はどうなのかという疑問も生まれます。時効の援用をどう考えるかということもあるとは思いますが、「不当利益なので返還せよ」「直ちに差し押さえを解除し、賦課金が存在しないことを確認せよ」との主張ができるようにも思いますが・・・・ここは定かではありません。
最近のコメント