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2017年11月 7日 (火)

午後は、足立区の子どもの貧困対策の視察です

15100438400h_1 午後は、同じく足立区で、「子どもの貧困対策」についての視察です。
 足立区は、全庁横断的に「子どもの貧困の解決」に取り組んでいます。総合的な政策立案を担う部局に、子どもの貧困対策に取り組む「部」を新設、部長と二人の課長、二人の係長と職員1名の新たなセクションをつくりました。市長をトップに、「足立区子どもの貧困対策本部」を設置、学識経験者も入れた「検討会議」もつくって、本格的な取り組みを始めています。
 これまで10年間、今の区長が区政運営で力を入れてきたのは「治安・学力・健康・貧困の連鎖」という4つのボトルネック的課題を解決しようということでした。確かに、刑法犯の認知件数は平成20年からの8年間で57%減り、子どもの学力テストの結果も少しずつ良くなってきています。糖尿病の重症患者も減りました。しかし、「それだけでは根本的な解決にはつながりません。カギは子どもの貧困を解決すること、少なくとも貧困を連鎖させないこと、そうしないと治安もよくならないし、区民の健康も、子どもの学力向上もないということが、浮かび上がってきたのです。
 足立区の子どもの貧困は23区内でも突出したものがあります。生保受給者も児童扶養手当や就学援助を受けている子どもも、高校中退者も23区の中では上位にあります。むし歯のある子どもも、23区や都の平均を上回っています。
 
 こうしたことからさらに進んで、27年度から毎年、子どもの貧困の実態調査を継続的に行い、子どもの貧困を視覚化し、そのま対処方針をブラッシュアップしてきました。区の作成した未来へつなぐあだちプロジェクト(足立区子どもの貧困対策実施計画 H27-31年度)」はその一つの結晶です。
 区は ①世帯年収300万円以下 ②子どもの生活において必要と思われる物品や急な出費に備えた5万円以上の貯金がない ③水道・ガスなどのライフライン等の支払い困難を経験した世帯 を生活困難と規定、非生活困難世帯と生活困難世帯について、子どもの貧困調査をもとに比較・検討しました。そうすると、子どもの貧困が、子どもの逆境を乗り越える力の低さや親の抑うつ傾向、朝食の欠食、運動習慣、読書週間などに、相関関係を持っていることが明らかになりました。一方で、貧困世帯にあったとしても、運動習慣・読書習慣をもつこと、地域のお祭りや児童館活動などの社会的な活動に参加することで、子どもは逆境を乗り越える力を高めることも検証されました。
 子どもの「逆境を乗り越える力」だけで、貧困の連鎖を断ち切れるわけではありません。また学年が上がるにつれて、乗り越えられない課題に直面、あきらめてしまう傾向もあるでしょう。しかし、これらの調査を土台に、これまでの「ブックスタート」の事業を子どもの乳児健診の事業とリンクさせ、より必要度の高い子どもに目的意識的に絵本を届けるように変わってきたことなど、様々な施策が取り組まれていることは大変重要と思います。
 子どもの貧困対策に全庁あげて取り組むこと、そのスタートとして、自治体独自に子どもの貧困調査に取り組むべきことは、釧路市でも参考にしなければならないのではないでしょうか。
 また、子どもの貧困を早期に発見して支援に結び付けていく必要から、妊産婦の段階から支援していることも示唆に富んでいます。(母子保健コーディネーターなど)また、各種の庁内の相談窓口でキャッチした貧困世帯の相談や実態を「つなぐシート」で、各支援部門で情報を共有している点も、重層的な支援ができる保障となっています。
 もうひとつ。子どもの貧困を経済的な困難だけで捉えず、社会的孤立や健康上の問題など、成育環境全般にわたる複合的な課題と認識すること、学校を貧困対策の重要なプラットホームとして位置付けることも、参考にすべき点ではないでしょうか。
 子どもの貧困をなくすことは、地方自治体だけの努力でできるものではありません。日本の国の在り方そのものが、子どもの貧困を増やしているからです。児童扶養手当を増やすことも、正規雇用が当たり前の社会をつくることも、国の政治全体の刷新が必要です、足立区が、区政でできることにしっかりと努力しながら、国や都に対して「子供の貧困対策」」を機会あるごとに働きかけていることは大切な視点です。
 最後に、・・・・・
 まだ小学校1校だけとのことでしたが、貧困家庭に朝食を取らないケースが多いことから、地域の方のボランティアの協力で、月に2回、家庭科室の調理器具を使って、子どもたちに朝食を提供する実践をしていることは、大変すばらしいと感じました。学校の建物の中で行われていること、朝食の提供は貧困家庭の子どもだけを対象とせずどの子も食べられます。また、提供する食事もごはん、味噌汁、ホットプレートを使ったホイル焼きで、簡単なメニューで子どもに朝食が出せることを、貧困家庭の親に伝えているそうです。子どもの貧困対策に限りませんが、こうした地域のマンパワーを頼ることは今の行政には欠かせない視点です。

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