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2017年11月 8日 (水)

町田市、ごみの減量とバイオガス化施設の建設について。

1510113330044 視察の最後は町田市で、「町田市一般廃棄物資源化基本計画」と工事が着工したバイオガス化施設について、お話を伺いました。
 市町村はそれぞれ一般廃棄物処理基本計画を策定し、ごみ処理の基本方針を示していますが、町田市はあえて「廃棄物処理」という言葉を使わず、「廃棄物資源化」と言う言葉を使って計画を立てました。自治体の姿勢を伺い知ることができます。
 
 さてこの基本計画ですが、町田市は2009年度一般廃棄物が9万9千トンだったものを、2020年度までに40%削減する大方針を掲げました。
 
そのカナメは
①資源化のできていなかった家庭用生ごみなどを新施設を造ってバイオガス化する、同じように廃プラスチックも資源化する新施設を建設する。
②市民・企事業所の協力で、家庭用生ごみ3千tと紙類2.5千t、事業系ごみ5千t、金属・小型家電・製品プラスチック3千tの廃棄物を減量する。
というものです。大変大きな目標です。
 町田市では最終処分場はすでに閉鎖、日の出町で他の自治体と一緒に広域で焼却灰をエコセメント化する事業に参加、埋め立てはしていません。これまでごみ処理の主役を果してきたゴミ焼却施設も、稼働30年を超えて更新時期を迎えている。などの背景があるようですが、これを思い切ってごみの資源化で乗り切ろうと決めたものです。
 
 特に新たな廃棄物処理の方針をめぐり市民130人を公募、市民委員会を立ち上げて検討をしてきました。通常なら市民以外に、学識経験者を入れてつくられるような委員会ですが、学識経験者を入れると、どうしても学識経験者の知見が結論を導くみたいになってしまうので、あえて有識者は加えず、市民の知恵と力、討議にゆだねて報告をまとめたという点は大変勉強になりました。(有識者の知見は大切ですが、ともすると結論先にありきみたいになってしまいがちです。)市民の力と言う点では、家庭用の生ごみの資源化に関わって、市民にグルーブをつくってもらい、そこに大型の生ごみ処理機を貸し付け、市民グルーブが生ごみのたい肥化に取り組んでいます。多くは団地の自治会、町内会のようですが、日量10kgから最大50kgの処理能力の機械をを貸し付けていて、いま60台以上になっています。もちろん、家庭用の電動生ごみ処理機の購入補助もしていますが、こうした市民を積極的にグループに組織化して、先進の役割を果してもらうことは大変優れていると思います。
 
 さて、今年7月には生ごみをバイオガス化する新施設の工事が始まりました。2021年度から稼働が始まります。新たなごみ焼却施設、不燃粗大ごみの処理施設と一体で整備するものですが、既存の施設の解体費も含めて建設費は270億円、20年間の運転経費(委託費)は157億円、総額427.8億円で、資金は自治体が調達し、設計・施工・運営は民間にゆだねる「DBO方式」で建設します。全国的にもあまり例のないバイオガス施設であることから民間にゆだねることでリスクを回避する、巨額の建設・運転費用を軽減したうえで負担を平準化するということで、DBOを選択したとのことですが、入札に参加したのは1社のみ(タクマ、廃棄物処理プラント建設の大手会社です)だけ、落札価格も100%に限りなく近いという「別な問題点」も顕在化したようです。
 
 当初の市民との検討の過程では、バイオガスの使い道について、特定の結論を出さず、発電用のガスとして使う、公用車の燃料にする、都市ガスとして使うなどの可能性を指摘していました。事業者の決定と合わせ、事業者からバイオガスの使い道も提案を受けたのですが、結局、事業者から提案されてきたのは、全量を発電に使うということ。発電だけで言えば、発電ボイラーを造れば発電できますし売電も容易です。しかし、発電だけならあえて、バイオガス化というプロセスを経なけばならないのか(一般的な焼却処理でも発電している)、多少、しっくりこないところもあります。
 バイオガス化をすることで単純な焼却より環境負荷が低減できることは理解できますが、発電用の原料と言う点だけでなく、公用車の燃料・都市ガスへ利用(ただし、これらに使う場合にはガスの精製施設が必要になるようです)できれば、可能性はさらに広がるようにも思うのですが、ここでも費用対効果の問題が出てきたのではないでしょうか。
 
 私が聞いたもうひとつの点が、こうした新施設建設ののきっかけとなった現行の流動床式ガス化溶融炉の更新の見極めの問題です。ちなみに現行の焼却施設は4炉、現在は1炉は休止、3炉で日量476tが処理できる流動床式ガス化溶融炉です。これを今度は、日量129トン処理のストーカー炉2炉、合計で日量258トンの処理に縮小します。流動床炉を運転してきてスラグの利用用途が難しいことや、流動床式は大量焼却に特化している点などもあるようです。釧路広域連合の焼却施設も、そろそろ今後どうしていくかの検討が必要となってくるころです。
 お話では、焼却施設の寿命は一般的に25年とされ、更新計画は稼働20年目ころから検討することが望ましいこと。しかし、町田市の場合は、更新に多額の費用が掛かること、市民と一緒に今後のごみ処理の基本方向を検討する期間を長めにとったことから、古い焼却施設はすでに稼働して35年、一番新しい炉でも稼働23年目を迎えての更新となります。もう少し早めにしたかった思いもあるようです。
 
 ごみ収集ですが、有料化の実施とともに、可燃・不燃は戸別収集を基本にしています。資源物はステーション方式だそうです。収集業務は3割が市の直営、7割が民間委託で、今後とも民間委託を増やしていく考えのようです。

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