網膜色素変性症に関する医療講演会を開きました
日本網膜色素変性症協会北海道支部の主催で、日赤病院の眼科の先生を講師に医療講演会を行いました。年に一回の釧路での取り組みですが、念願かなって医師による医療講演会を行うことができて、苦労の甲斐がありました。
まず一時間ほど、病気そのものや治療法について、先生からお話をいただきました。私の理解も生半可なのですが、網膜色素変性症は網膜の老化現象と考えてほしい、遺伝子による網膜の障害であるのだから、その病気があって本人なわけであって、病気にならないとしたら、それはもうその人ではないこと、病気で失われた機能を嘆いたり、将来を心配してもなんらもならないので、いまある能力を生かして生活していくことが大事、そんなことがとても印象に残りました。
講演のあと参加者からの質問などに答えていただいたのですが、日常不安に思っていることがたくさん出されました。また、網膜色素変性症のハンデだけでなく、緑内障は網膜が原因で像がゆがんで見えるなど、いろいろな病気も持っている方も結構いらっしゃいました。
とくに私が印象に残ったのは、「遺伝性の病気なので、子や孫に遺伝しないか心配で」というご質問でした。(私もそのことを一番心配に思っています。私の場合、母親が網膜色素変性症で、私自身眼科に見てもらうと、いまはまったく大丈夫だが、わずかに変性はおきていると思われるので、ときどき検査してください。ただ進行が遅いので、障害が現れてくるかはわかりませんがと言われています。まぁ、母親の発病?は60代後半でしたから、仮にそうなるとしてもまだまだ先のことと思っていますが・・・)「遺伝子による病気ですが、そのタイプは様々です。親族の中にたくさんの網膜色素変性症の患者さんがいるとしたら、その網膜色素変性症は発現しやすい遺伝子によるものなので、お子さんやお孫さんが発症する可能性は結構あります。一方、親戚の中にほとんど同じ病気の人はいないというなら、それは遺伝子としては網膜色素変性症の遺伝子があることは間違いありませんが、ほとんど発症しない遺伝子です。お子さん、お孫さんが病気になることはほとんどありません。」というお答えでした。網膜色素変性症と一口に言っても、遺伝子のタイプ、病気のタイプは様々で、決してひとつの病気ではないということだそうです。
もうひとつ。先生は講演の中でもロービジョンケアのことを強調していました。網膜色素変性症は網膜がだんだん死んでしまう病気ですから、いったん失った視力や視野が回復することはできません。眼鏡の矯正だけではなかなか視力はでません。治療薬もありますが、病気の進行を食い止めることができるわけでもありません。しかし、完全に失明するかというと、そうでない人が大半です。残った視力、視野を生かして、どう生活するかが大事なのですが、それがロービジョンケアの出発点です。
様々なサポートの機器、めがね、拡大鏡、ライト、拡大読書器をつかったり、訓練をしたりということですが、残念ながら釧路では、ロービジョンケアに力を入れている病院はないのだそうです。もちろん、そうした機器に触れる機会も釧路にいるとほとんどありません。治療法がいまのところない病気だけに、こうしたロービジョンケアの取り組みが進むとよいのだけれど・・・そんな思いを強くしました。
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