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2013年5月 6日 (月)

原発問題について、小出裕章さんの講演を聞いてきました

P1011862 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんの「子どもたちに原発は残さない」と題する講演会を聞いてきました。小出さんは、原子炉工学の専門家の立場から、原発の危険性に警鐘を鳴らし続け、原発推進派が大半を占める学会にあって、「異端児」のレッテルを張られている研究者です。専門家の立場から、今回の福島原発の事故についても積極的に発言をしている方です。

 会場となった観光国際交流戦センターは大入り満員、多くの方の関心の強さをうかがわます。専門家の立場から、原発について専門的なお話かなと勝手に想像していたのですが、・・・・
 小出さんのお話は地球と人間の誕生、エネルギーの利用のことから始まりました。

 地球が誕生して46億年、人類の誕生は400-700万年前、それに対して、人類が産業革命を経て、エネルギーの多消費時代に入ったのはせいぜい200年前です。時間を長さに換算すると、「おっ」と驚きます。地球誕生を4.6kmとすると、人類誕生は4m、200年前はわずか0.2mm、なんという違いでしょうか。こんな短いスケールの中で、エネルギーをバンバン消費することがはたして許されるのでしょうか。人類のエネルギー消費が激増し始めてから、生物の絶滅もうなぎ上りなのだそうです。

 さて、小出さんは石炭も石油も減っていく中で、「これからのエネルギーは原子力以外にない」と思って、原子力工学を選んで研究を始めます。
 原子力のパワーですが・・・それが途方もないものであることをまず確認しましょう。DNAの遺伝子を結びつけているのは、基本的には分子結合です。この結合力の数万-数十万倍の力を放射線は持っています。放射線の投射を受ければ、DNAの分子結合はひとたまりもありません。(ちなみにDNAを太さ0.2ミリの糸とするとその長さは、180キロになるそうです。こうした微細な構造物を、ひとつも間違わず複製しているのですから、生命とは本当に神秘的なものですね・・・)
 確かに、膨大なエネルギーを有していることはまちがいありませんが、実は資源として「放射性物質」は大変希少な存在です。広島の原爆はウランが800グラム使われていました。いま、100万キロワットクラスの原発は、年間に1トンのウランを消費します。こんな膨大なウランを一基で使ってしまうのですから、ウランで未来のエネルギーを担うなんてことは到底できそうにありません。

 

 福島の事故でどのくらいの放射性物質が大気中に放出されたのか。広島の原爆の186個分が大気中に放出されたと政府は公式に発表しています。この数字が過小報告である可能性は否定できません。また、海洋中に放出された放射性物質も、大気中の分と変わらないのではないかと指摘されています。途方もない量です。

 この放射性物質ですが・・・放射線の影響は、こどもたちに集中的に現れます。1万人シーベルト(1ミリシーベルトの放射線を浴びた人、1万人の総被ばく量)の放射線を浴びると、平均3731人が癌を発症してなくなるといいます。しかし、同じ放射線量でも全員が55才以上だとすると癌死亡者はわずか49人、それが全員0才児だとすると実に15152人も癌死するのだそうです。それだけ子どもの細胞分裂が旺盛だということでしょう。

 その放射性物質が福島の原発事故で、大量に放出されました。1平方メートル当たり4万ベクレル以上の汚染をされた地域が、福島県の東半分、宮城県の南部、北部、岩手県の南部、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、東京都の一部に広がっています。
 4万ベクレルというのは、大学の研究室などの「放射線管理区域」に相当する汚染です。4万ベクレルを超えていると、何人も、いかなるものも、管理区域から除染せずに外に出すことは禁止されています。そういう水準の汚染が、広大な地域に広がっているのです。驚きを禁じえません。

 原発がなくても日本は停電しません。電力会社は電力の3割を原発が担っていたといいますが、火発の稼働をセーブしているから、結果としてそうなっているだけのことです。加発は46%しか稼働していません。原発をとめても、それわ補てんするには十分な能力があります。夏場のピーク時の電力量を考えても、現在の日本の発電所なら、火発と水力で十分まかなえます。仮にわずかに足りなくなったとしても、工場などの自家発電を買えばOKです。夏場の数時間のピークは十分対応可能です。

 こんなお話を聞きながら、小出さんは最後に、「こどもたちを絶対に被ばくさせないこと」「第一次産業を守ること」が大切だと強調しました。汚染された地域からは、たくさんの農作物が作られ、魚が獲られます。それらの食物も大なり小なり、放射能によって汚染されています。これらを廃棄していたのでは、地域は壊滅してしまいます。
 まず東京電力の責任で、詳細な放射能検査を行わせること。その結果を公表し、食物を放射能の汚染レベルの高さによって、「60禁」「50禁」「40禁」「30禁」「20禁」「10禁」と分け、こどもたちにはできるだけ被ばくの少ないものを、高齢のものは相対的に汚染されたものを食すべきだと・・と強調しました。もちろん、一定の基準値以下というのは前提でしょうが・・・・私たちも、原発の安全神話に「騙されてきた」とはいえ、原発を放置してきた責任は免れないのですから。・・・・・

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