土地区画整理組合総会が流会の異常事態
昭和中央土地区画整理組合の第4回総会が市民文化会館で行われ、私も参加してきました。その様子をリポートします。
開会の辞に続いて、理事長挨拶。小澤理事長の挨拶の大要は、「宅地造成・換地処分も終わり、あとは保留地を売るだけとなったが、100年に一度の不況となって保留地の販売が低迷した。保留地の値下げを決め、不足分を賦課金で補うことにした。今後も多難な事業となるが、新しく選出される新役員はぜひ尽力いただきたい」というものでした。
続いて議長の選出。理事会が議長を推薦しようとすると、林秀夫さん(賦課金と区画整理を考える懇談会代表)が、「私が議長に立候補します」と発言。大きな拍手が起きるのと同時に、理事会推薦の議長ではだめだ、多数決を取れとの声がいっせいに出されました。結局、理事会は予定していた議長の推薦もできないまま、「林さんで議長はよろしいでしょうか」と総会に諮り、林さんが議長に選出されました。
これまでの総会同様、審議もなくシャンシャン大会で終わらせたかった理事会の目論見はここで大きく頓挫することになりました。
急遽、議長に選出された林さんと理事会・事務局で議事運営について短時間の協議のあと、総会成立宣言に移ります。
理事会から総会の出席状況が報告されました。「組合員の総数は932人、総会成立の過半数は467人になります。出席者は本人・代理人で157人、委任状131人で、合計288人で不成立」という報告でした。再度、林議長、釧路市の担当主幹、総会参加者一名で参加者数を再集計、それでも本人・代理出席166名、委任状130名で総会は不成立であることが確認されました。
理事会、釧路市は「成立していない以上、総会は流会として直ちに閉会する」ことを求めましたが、ここで一斉に反発の声が上がりました。
まず、私が5点の議事に関する提案をしました。
①再度、総会を招集すること。
②再度招集される総会の議事は、役員・総代の改選だけでなく、事業報告・予決算・賦課金の賛否を議題として加える。
③再度の総会で賦課金の賛否を決めるまで、賦課金徴収は凍結し、過怠金も凍結する。
④役員・総代選挙については、組合員からの立候補を認める。
⑤総会流会に関する理事会の職務怠慢について厳しく反省を求める。
という内容です。そもそも、総会に顔を見せた理事は二人だけ。あまりにも無責任です。しかも、総会にこれほど多くの欠席者が生まれた原因は何か。それは、定款を一方的に変え、その後は組合員とのまともな話し合いをせず、強権的に賦課金徴収にひた走る理事会のやり方に、組合員の多くが怒っているからです。総会に出ないという行動で、組合員は賦課金にNOの声を上げています。だからこそ、組合員が総会で一番話し合ってほしい賦課金問題をきちんと総会で決めることをしないなら、組合の正常化はない・・そんな理由付けを話しました。
私の意見に続いて、「総代でも欠席している人が多い。総代をきちんと総会に参加させよ」「総会の場で賦課金の決着をつけてほしい」「賦課金の状況をきちんと報告せよ」「予決算も総会でやれ」「臨時総会の開催を要求する」・・・・何人が発言したかは正確ではありませんが、総会で賦課金の白黒をつけよという声がほとんどで、理事会を擁護する発言はありませんでした。
協議の結果、一旦「総会は閉会する」と宣言したのち、参加者からの質問に答える時間が設けられました。
まず事務局長は、
「総会の不成立については申し訳ない」と謝罪、改めて総会を招集することになるが、一連の手続きに1ヶ月ぐらいの期間が必要になること。また、今後のことについては、新たに選出される新理事会に託したいと、述べました。
その後、さらに質疑に移り、「一連の賦課金に納得できないので、北海道に対して審査請求を行った」という方が、釧路市の支払った賦課金、賦課金に対する市の認識、市は強制徴収を考えているのかなどの点を質問しました。
釧路市の担当者は、「昭和小学校の分として580万円の賦課金を払い、あと3500万円を7回に分けて払うことにしている」「市も組合員であり、賦課金が適法的に決められた以上、支払うのが当然と考えている」「滞納処分に至る前に組合員の理解を得るために相当の努力・接触がが必要と考えており、今の状況は不十分と考えている。今は滞納処分を受ける時期ではないと考えている」と答弁しました。
続いて、「賦課金は法律によると、総会でなければ決めることのできない特別議決事項ではないのか、それを総代会で決めたのだから、法律違反の疑いがあるのではないか」と質問。市と事務局長は、「賦課金そのものはもともと定款にも載っており、金額、手順等は特別議決事項には該当せず、総代会で決められる」と答弁、質問者は「それは裁判の判決で決まったものではない。法律違反の疑いはある」と反論しました。
また、「市民の税金で賦課金を払ったことにも納得できない」との批判もありました。
再度、私は理事長に対して、「次の総会で賦課金を議題とするのか明快に答弁せよ」と質問、理事長は「役員改選以外はしない」との考えを示しました。
これが当日の様子です。
さて、私の考えを最後に書きます。組合はまさに漂流を始めたというのが、私の率直な感想です。
私は何度も、「賦課金徴収に固執せず組合員との話し合いを深めよ、なによりも組合員の納得を大切にし、そのためには一時的に賦課金を棚上げすることも決断せよ、市はその方向で組合を指導せよ」、主にその方向で議論し提案してきました。そうしないと、組合員は理事会に不信感を広げ、組合にとって最も大切な組合員間の団結と信頼が大きく損なわれと考えていたからです。組合が困難に直面していることは理解しています。だからこそ、組合員みんなが「この方向でがんばろう」とならないとダメだし、一旦、亀裂が走れば修復不能に陥る危険が強くあったからです。
今回の流会という事態は、私がそうなってはならないと思っていたシナリオ、組合員の理事会への強い不信が極まったことを示しています。理事会が、大幅に譲歩する立場を示さない限り、組合員は総会に参加する見込みは薄いと考えなければなりません。そうすると理事の改選もできません。総代は任期切れとなり、何も決められない状態になります。理事は改選されるまではその地位にとどまるとされていますが、総会にも来ない(顔も見せられない)理事に、その仕事ができるだしょうか。気がつけば、「じょっぱる(津軽弁で意地を通して突っ張り続けること)」のは理事長と事務局長だけ、みたいなことが容易に見えてきます。総会もできないような理事会の言うことに従う人は、加速度的に減っていくばかりです。
まがりなりにも、昭和中央土地区画整理組合は総会も行われ、理事会も機能している数少ない組合のひとつとされてきました。しかし、賦課金をごり押ししてきた結果、この始末です。このままなんども総会の流会がくりかえされれば、組合は崩壊してしまいます。こうしたことは、市も望んでいないはずです。
組合が機能停止となれば、結局、債権者(金融機関)が担保に取っている保留地を投げ売りして、債権回収をはかり、それでも回収し切れなかったものは、債権放棄とせざるをえなくなります。金融機関にとっても、なんのうまみもありません。
逆説のようですが、理事会にとっても、市にとっても、金融機関にとっても、最良の選択肢は賦課金への固執をやめることです。
それにしても空席の目立つ総会写真(左上)が今の組合の実態を如実に示しています。
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