今週はもっぱら昭和の土地区画整理事業についてのあれこれの調査、聞き取りなどに追われててんてこ舞です。話を聞いていくと、賦課金説明会の案内の来た人は、「怒っている」「困りきっている」「開き直っている」の3つに大別できそうです。「進んで払おうと思っている」という人にはまだ当たっていません。
一方で、昭和中央に住んでいても、起きている事態を全く知らないという人も決して少なくないことが分かりました。
昭和中央土地区画整理組合が造成した地域に家を建てた人でも、
①旧地権者が区画整理組合そのものになっている人(保留地を購入した人)
②換地処分以後に土地を買った人(19年5月18日以後に購入した人)
③区画整理事業の清算や賦課金徴収にあたって、旧地権者が支払うと契約した人
などの人は、賦課金を支払う必要はありません。
組合の説明会の案内は、支払い義務のあるなしにかかわらず、売り手にも買い手にも一斉に案内を出したとのことですから、「賦課金説明会」の案内が来たからと言って、みんな支払い義務があるということではないすようです。「自分は支払う義務があるかどうか」は、明確なようで、かなりグレーゾーンを含んだものになっているようです。
話を進めていくと、区画整理、減歩、保留地。、賦課金などの言葉そのものが何のことか分からない人がいっぱいることもわかりました。区画整理事業は、沈黙することは「事業を認めたことと同じ」と専門家は言っています。次の4つだけはぜひ知ってもらいたいと思います。また、知らない人には教えていただきたいと思います。(ちょっと厳密さに欠けても、感覚的にわかりやすいよう解説しています。)
●土地区画整理組合
土地区画整理法に基づいて「未整備」の住宅地、農地、原野などに碁盤の目のような道路網をつくり、「良好な」宅地として分譲できるように区画を再編する事業をいいます。自治体によるもの、民間によるものなどがあり、民間の主要な方式が「土地区画整理組合」によるもので、釧路市では昭和や文苑がそれにあたります。美原や芦野は市が行った区画整理事業です。民間が区画整理をする場合、市の認可が必要です。
土地区画整理組合は、そこに土地を持っている地権者の2/3の賛成があれば設立できますが、該当地域に土地を持っていると、区画整理に反対であったとしても組合に強制加入させられ、土地をもっている限り脱退することはできません。また、土地区画整理組合は、「債権者の同意なしに解散することはできない」とされており、事業が失敗しても倒産することはできませんし、赤字になれば何らかの形で、地権者がこの赤字を穴埋めしなければ、事業を終わることはできないとされています。
区画整理は表向きは「良好な住宅地の造成が目的」と言われますが、実際は「大規模土地所有者が遊休地を宅地化して利益をあげたい」「区画整理のなかで都市計画道路や市道を整備すると、市の負担はかなり安上がりになる」という面もあり、区画整理を積極的に進めたい地権者と自治体、一方で有無をいわさず区画整理に巻き込まれる小規模土地所有者の利害が衝突することがしばしばあります。しかも、責任だけは組合員に平等に求められ、小規模宅地所有者には厳しい(不公平な)内容となっています。
●減歩(げんぶ)
区画整理を進めるためには、多額の工事費用がかかります。区画整理組合は、組合が保有する「保留地」を売却して工事費を捻出します。また、新しい道路、公園などの整備のためにも、かなりの土地が必要です。こうした「保留地」「公共用地」を生み出すため、各地権者の土地を削ってそれにあてることを減歩といいます。
実際はもともと保有していた土地を削るわけではなく、碁盤の目のように区画を再編しますので、旧来の土地とは別のところに、減歩して狭くなった土地を指定します。(これを換地といいます) 昭和中央の場合、減歩率は60%で土地のかなりの部分が取り上げられました。そのため、減歩後の面積では狭くなりすぎたため、宅地として不足する土地を組合から改めて有料で買い戻すということが広く行われました。
●保留地
減歩によって組合員から提供された土地を集め「保留地」として、その販売で区画整理事業の経費にあてます。区画整理組合には、自治体などから補助金がでますが、それ以外には保留地の売却以外に収入源がありません。そのため、保留地販売が不振となると、組合の経営がとたんに厳しくなってしまいます。
●賦課金(ふかきん)
保留地の売却が進まず事業運営が困難となった場合、組合員に対して「公平」に坪○万円などというように、現金を徴収して運営資金に当てることができます。これが賦課金です。追加の減歩の現金版と考えてもよいでしょう。今回の場合、坪5,900円の賦課金が総代会(組合は5年に一回の総会で総代を選び、日常的には総代会が決定機関となります)で決められました。賦課金の支払いを拒否すると、市に強制徴収を依頼することができるとされています。
しかし、これらはあくまで用語の解説で、現実は柔軟に運用されています。組合が結果として赤字で締めざるをえなくなったら、たいていの場合、債権放棄という形で金融機関が責任をとりますし、賦課金を払わないからからと言って、市に強制徴収を依頼しても、道内では市町村が強制徴収を行った例はありません。(そうなると、都道府県の許可を得て、組合が強制徴収ができるとはなっていますが、それも簡単なことではありません。旧地権者と新地権者が「どっちが払うか」でもめているときに、だれに「強制徴収」するか、簡単に決められることではありません)
いずれにしても、こうしたことを念頭に慎重に対応していただきたいものです。また、知らないままほっておくことは絶対にしないで下さい。この問題で「相談がしたい、話を聞いてほしい」という人は、お気軽にMLを下さい。
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